ADVAN STOVE - charnwood

チャーンウッド - アドヴァンの薪ストーブ・暖炉





 ワイト島は、英国イングランド南部、サウスサンプトンの南方に浮かぶイギリス海峡の島で、300㎞2程度の小さな島です。ポーツマス・ハーヴァーからフェリーでほんの20分くらいで到着します。
 19世紀、当時のビクトリア女王が避暑地とするために宮殿を建てたことにより、高級リゾート地として有名になりました。チャーンウッド社は、1972年からストーブの製造を始めました。また、チャーンウッド社は、ロンドンの地下鉄の看板の制作も行っています。


「Godshill」

 ゴッズヒルは、ワイト島でも最も古い建築物が立ち並ぶ村です。草ぶき屋根と石小屋作りの教会やカフェが並ぶメインストリートは曲がりくねっており、まるで中世の時に迷い込んでしまったかの様な錯覚に落ち入ります。

「The Needles」

 ワイト島の最西端に島から海に突き出した美しい白い岩礁群「ニードルズ」。長い年月を経て現在の形になった姿は、繊細ですが力強ささえ感じてしまいます。
 また、ニードルズに面したアラム湾にそびえ立つ断崖は、砂が光を受けて何色にも輝きを放ち、多くの人達を魅了し続けています。


「Cowes Week」

 ワイト島で毎年8月に8日間に渡って行われる、ヨット競技がカウズウィークです。世界で最も長く続いているヨット競技で始まりは、1826年にまで遡ります。今でこそ、1000艇も参加するワイト島の大規模イベントの1つになっていますが、第1回大会ではたったの7艇だけのレースだったそうです。



「History」

 ワイト島は歴史的にも考古学的にとても豊かな場所で、青銅時代、鉄器時代、ローマ時代などの住居や人工遺物から、恐竜の化石までもが多く発見されています。

 ワイト島は氷河期の終わりに島になりましたが後氷期の隆起で沈降が起こった為に、ソレント海峡に海水が流れ込み、現在の島を形成しました。
穏やかで静けさに満ちた自然の美しさを満喫するには最適な場所です。
こんな静寂を守るワイト島も夏場には、前途のカウズウィークやワイト島音楽祭で盛り上がりを見せます。1970年に行われた音楽祭には約60万人が集まり、過去最大のロック音楽祭となり、英国のウッドストックとも呼ばれるようになりました。

優しき紳士たるストーブ

英国のエコに対する一つの答えがクワトロフローという再燃焼方式。それを搭載したコーヴェ2を試焚した。

 英国は産業革命以降、暖房エネルギーを石炭に頼っていた。暖房力は高かったが燃焼効率が悪かったため、PM2.5のような人体に悪影響を及ぼす物質が煙突から排出され続けた。ちょうど、現在の中国のような状態だ。
 クルマの排ガスが冬にエンジンを始動した直後が濃いように、英国の冬はビクトリア朝時代から度々スモッグが発生した。「霧の都ロンドン」の原因は石炭の排出ガスが原因によるスモッグで、ロンドンでは寒冷時によくスモッグが発生。大気を汚染させる原因となっていた。
 1952年12月上旬、英国で「ロンドンスモッグ」という重大な公害事件が発生する。この時、英国の上空を高気圧が覆い、大変な寒さになったという。あまりの寒さにロンドン市民は一斉に石炭を燃焼。さらに悪いことにロンドンは地上交通をディーゼル化したばかりで、NOxなどが石炭の煤煙に加わり、一説にはph2にもなるという強酸性・高濃度の硫酸霧を作ってしまった。これを吸入した人は健康被害に苦しみ、なんと1952年の冬だけで1万2000人が死亡するという大惨事になってしまったのである。
 事態を重く見た政府は1956年と1968年に「大気浄化法」を施行。そんな状況下で見直されたのが薪ストーブである。カーボンフリーな薪を、石炭の代替燃料にと考えたわけだ。1968年に大気浄化法が強化されてから4年後、イギリスのワイト島で小さな技術会社が誕生。『チャーンウッド』社である。
 創始者のA.J. ウェールズは、販売のために海外より薪ストーブを輸入したが、自社の職人集団のほうがもっと効率が良く素晴らしいものが造れると確信。自社製品を造るための研究を始めたのは1974年のことだった。
 そして翌年、イギリス最初の薪ストーブメーカーであるチャーンウッド社は、記念すべき1号モデル「ビーコン」を発売。初の商品だったが非常に高精度だったことから、国内で高い評価を得た。以後、同社は革新的なモデルを次々と発表し、2009年にはその優れた業績で"クイーンズアワーズ賞"を女王から授与されたのである。

 より炎が美しく見える3つのモデル「コーヴェ」シリーズを発表したのは2005年。チャーンウッドはクラシカルなデザインのモデルからモダンデザインのものまでラインナップをもっているが、コーヴェシリーズはもっともシンプルでインテリアの雰囲気を選ばないモデルとなっている。今回はシリーズ3モデルの中間サイズである『コーヴェ2』をご紹介しようと思う。
 エッジの立ったスクエアなデザインに蒸気機関車の釜口を思わせる扉、そして下部は薪が収納できるスペース。筐体の表面にはドアノブ、ヒンジ、マルチグレート(後述)のレバー、そして空気調節レバーの頭が見えるだけ。扉とガラスは僅かにラウンドしており、斜め方向からでも美しい炎が見られるように工夫されている。
 さてコーヴェ2には、2つの特徴的な機構が採用されている。ひとつ目は「マルチグレート」。コーヴェ2は主燃料の薪の他に、石炭の粉にオリーブの絞りかす30%を混ぜた「エコール」という新燃料が使える。エコールは薪よりも煙が少なく、約6倍も長持ち。薪とエコールを燃やす時は、それぞれグレートの開閉が必要で、どちらでも使用できるようにしたのがマルチグレートだ。

 「クアトロフロー」はコーヴェ2に採用されている燃焼システムの名称で、4つの空気流によってクリーンで効率の良い燃焼を実現する。
 まずレバーを目一杯引くと、着火状態の"プライマリーエアー"になる燃焼室下部から大量の空気を取り入れ、着火を手助けする。着火が完了したらレバーを一段階押し、"セカンダリーエアー"と"ターシャリーエアー"を導入させる。セカンダリーエアーはガラスを空気流で清掃しながら、燃焼ガスに吹き付ける。いわゆる二次燃焼の空気流だ。ターシャリーエアーはクリーンバーンノズルから燃焼室内に向けて送られる空気流で、未燃焼ガスを再燃焼させて排気をクリーンにする三次燃焼の空気流を指す。レバーを完全に押し込むと"バイパスエアー"になる。これによって最小限の燃焼用空気に絞られ、余熱は煙道に送られて結露を防止する。就寝時にはこのモードにしておくことが推奨されている。
 燃焼用空気の調節はこの3段階のため、ユーザーは面倒な調節をすることなくイージードライブが可能だ。レバーを目一杯引き、焚き付けと着火用薪を入れて火を着ける。ドアを少しだけ開けてしばらく待てば、薪は勢いよく燃え始めた。本薪を入れてそれにも着火したら扉を完全に閉めて、調節レバーを1段階押し込めば操作はそれで終了だ。
 コーヴェ2の炎は、一般的なクリーンバーン機と比べると若干強めに感じられる。奥から伸びて手前に巻くような多次燃焼の炎は、ラウンドしたガラス越しに美しい。クリーンエアーもよく利いており、十分に燃焼しはじめると煤による曇りは生じない。
 テスト時には蓄熱まで若干時間を要したが、素材が良いのか輻射熱が実にマイルドだ。身体を本体の近くに寄せても、肌に刺激を感じないのは、さすが紳士の国の薪ストーブといったところだ。
 非常にオーソドックなスタイルの薪ストーブだが、各部をじっくり見ていくと真面目な造りをしているのが実感できる。簡単操作で優しい暖かさ……というところに、作り手の理念の高さが十分に形となっている気がする。
 しかも窓の形状などに美的感覚やエンタメ性も感じられ、英国車さながら多少地味そうなイメージでも楽しいという価値観を十分に理解して造られているところが、この薪ストーブの魅力なのだ。

3人で始めた小さな工場が、今では従業員150人の規模になり、スタッフの多くは長年一緒に働いている仲間達で、自分たちの会社・製品に誇りを持って仕事に携わっています。伝統と熟練が生み出す確かな薪ストーブをぜひ。

1972

チャーンウッド社はイギリスワイト島ニトン村という、英国の南海岸沿いに浮かぶ小さな島で、小さな技術会社として誕生しました。創始者はA.J.ウェールズと2人の息子という家族経営でした。ウェールズ一族は、その職人としての腕のよさから仕事の幅を広げていきました。

1974

販売のために他国より薪ストーブを輸入した際、職人集団である自分達の技術ならばもっと燃焼効率がよく、素晴らしいものが作れると自信を持ち、そのための研究と準備を始めました。

1975

暖炉が主流だった当時、小型でも丈夫で燃費のいい、かつデザインの優れた薪ストーブを作ろうとついに決心し、英国で初めて薪ストーブの製造を始めたのがこのチャーンウッド社です。このコンセプトは現在も一貫して追及され、使用される原材料は全てイギリス国産のもの。こうして英国で一番古く、一番の歴史と伝統を受け継いでいる会社となっております。この年に発表された、始めての薪ストーブは「ビーコン」(レイチェスターシャイアーにある丘の名称。)と名付けられました。設計から製造まで全て自社で行い、販売を開始しました。初めて製造したにも関わらず、その本体精度の高さは英国国内で高い評価を得ました。

1980

より大きなサイズの「チャーンウッド」(レイチェスターシャイヤーにある森の名称。)の生産を開始しました。やがてブランド名ともなるこの「チャーンウッド」は、大きな熱量でも変形しない大型化に成功した画期的な薪ストーブとして史上に刻まれています。

1981

その後「チャーンウッド LW」、1984年の「CW50」と開発と改良を重ね、1992年に「カントリー8」の生産を開始しました。このカントリーは高精度のエアーウォッシュシステムを最初に搭載したモデルでした。ガラスの掃除の手間が減り、綺麗なガラスで美しい炎がいつも見られると評判となり、その扱いやすさもあり、以降シリーズ化される銘品となりました。

1993

カントリー8より大きな熱量を求められ「カントリー12」を開発し、1995年の「カントリー6」、1998年の「カントリー4」を経て、「アイランドI」および「アイランドII」を開発、生産を開始しました。“よりシンプルなデザイン”をコンセプトに開発され、見た目だけでなく操作性にもシンプルさを追求。クワトロフローエアーマネージメントシステムを始めて搭載した薪ストーブです。このシステムは、空気の調節を一つのレバーで全て行えるというもので、操作性や機能性、ストーブ自体のポテンシャルを誰でも簡単に最大限引き出せるようになりました。空気を簡単に調節できることから、適切な空気量で薪の燃焼時間を伸ばすことも実現しています。

2003

アイランドIとIIで十分な実績を積んだ後、より大型機種の「アイランドIII」を生産開始しました。

2005

「コーヴェ」シリーズの生産開始しました。この「コーヴェ」は“炎”をコンセプトとし、より炎が綺麗に見える縦長にデザインされています。中でも「コーヴェI」は小さな部屋にも対応できるサイズながら、機能は大型モデルに匹敵していると評判になっています。その後、これぞブリティッシュスタイルという復刻版「C」シリーズを開発し、イギリスの一般家庭で愛され、定番品となりました。最近では、正面のみならず3面から炎を楽しめる画期的な薪ストーブ「TOR」を発表。薪ストーブは壁際という概念を脱却し、オブジェ感覚で楽しむ新しい世界観も提案しています。

2009

長年にわたる確かな技術と、堅実な職人仕事が高く評価され、イギリス王室から“クイーンズアワーズ賞”を受賞。エリザベス女王自ら授賞式に出席し、授与されました。伝統を守り、技術を追い求め続け、イギリスの製造業の信頼を高める努力が報われた結果です。

2012

イギリス政府より“英国展”への参加企業に選出されました。英国科学博物館で行われたこの英国展は、イギリス史上で、自国の製造業の発展と技術力を高めることに貢献したごくわずかな企業が展示を許されるものでした。ロールスロイスやジャガー・ランドローバー、サンシーカー、ロイヤルミントなどイギリスを代表する製造業と並んだことは、大きな誇りとなっています。

技術へのこだわり

チャーンウッド社の薪ストーブ作りには、20年以上薪ストーブを作り続けている熟練の職人による最終工程は欠かせません。手作業で一台一台丁寧に仕上げられ、命が吹き込まれていきます。

つくりへのこだわり

チャーンウッドの薪ストーブは全て鋼板製です。しかもただの鋼板製ではなく、分厚い鋼を曲げて作る最新の技術で生産されています。細かい部品を組み合わせて作る鋳物に対し、この鋼板は部品が少なく、その分経年変化や温度変形にも非常に丈夫な作りとなっています。この丈夫さゆえ、薪より高温になる石炭も使える仕様になっています。画期的な商品である人工石炭「エコール」がチャーンウッド専用となっているのはこの丈夫さによるものなのです。